放課後の片想い
今の状況に頭が追いついていかない。


私 キス してる?


前を見ると目を閉じている鈴原くんの顔。

離れなきゃって思うのに身体に力が入らない。


嫌だって思うのに嫌じゃない。


鈴原くんの体温がさらに近くに感じて、ただただ私の心臓がうるさく鳴り止まない。



「ん…」

少し長いキスに思わず声が洩れてしまった。
そんな自分がたまらなく恥ずかしい。



唇が離れた。

私は恥ずかし過ぎて顔を見れない。


「怒った?」

ひょいっと覗き込む彼。


「〜〜〜!!!!」

言葉にならず、ただ顔が真っ赤になっているんだろうなって事はさすがに自分でもわかる。
顔が熱い。



「日和が煽るからやで」


煽る!?
何それ!!??


「何もしてないよ‼︎」

驚いて顔を上げてしまった。

そこには
少し顔が赤い、照れたような表情の鈴原くん。


その顔にまたドキッとする。


そんな顔見たら、全部許せてしまう。



「〜〜〜‼︎帰るね!」

この状況に耐えられず帰ろうとした。
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