放課後の片想い

委員会が終わって鈴原くんとの帰り道。


「あのね、鈴原くん。足立くんってどんな人？」

「なんで？急に」


いきなり過ぎたかな！？
でも、勝手に話しちゃったら足立くんに失礼だよね！？


「えっ特に理由はないんだけど…！！鈴原くんのお友達だから知りたいなぁって思って…！！」

「…ふーん…」


理由、変だったかな。



なんか緊張する。



「彗は…あんな感じで自由人に見えるけど周りを見てる奴かな」

「…そうなんだ」


「俺がこっちに転校してきた時さ、気持ち的にもどん底でだいぶ落ちてたんやけどそんな俺に接してくれたんもアイツ」


足立くん…。


「何かあったとかさ、こっちから話すまで絶対聞かへんしな。でも何かしらわかってるねん。彗はそういう奴やな」


イメージが変わった。


自由な、どっちかと言うとあまり周りを見ない人かなと思っていた自分がなんだか恥ずかしい。


「これで納得？」

「あっ！うんうん！！ありがとう」


なんだか自分でもわからないんだけど、足立くんの事が知りたくなった。


加藤くんと桜ちゃんの様子を見てたら…
足立くんを応援は出来ないけど…

だけど…


「何考えてるん？」
私を覗き込む鈴原くん。


ドキンッ！！

顔の近さにドキドキが速くなる。


「何も…考えてないよ？」


「彗が好きになった？」


え！？

「なにそれ！？そんな事あるわけないよ！？」

「日和、ほんま意味わからん」


なんで


「…そんな言い方しなくてもいいじゃない…」


理由をちゃんと言わない私が悪いってわかってるんだけど


だけど


鈴原くん以外の人を気になるとかあるわけないのに


どうしてそんな言い方するの。



「〜〜…！！送ってくれてありがとう！バイバイ！！」


言葉にならなくて、家に急いで入った。


「日和！」


あぁ。私って最悪だ。