放課後の片想い
4曲目の演奏が終わったあと、足立くんが喋り出した。


「今から歌う曲はオリジナルです。時間なさ過ぎてバンドの編曲はできなかったから、悠のピアノと俺で演奏します!」

オリジナル。。
曲を作ったんだ。
すごい。


「歌詞は俺。曲は悠で作りました!じゃあ聞いてください!」



ピアノから始まる。

とっても美しいメロディー。
でも、どこか少し寂しげなメロディー。



“雨の日 すれ違った君はきっと気づいていない”

“飽きてきていた景色が確かに変わったんだ”


力強い足立くんの歌声。
その歌声に寄り添うように奏でる鈴原くんのピアノ。


惹き込まれる。


“見える物も見えないフリをすれば、それは見えないんだ”

“こんな僕を変えてくれたのは君”


なんだろう。

直感なんだけど


きっとこの歌って…


チラッと桜ちゃんの方を見る。

桜ちゃんも加藤くんも、まっすぐ前を見ていた。



歌は進んでいく。


“まだ君に伝えられていない言葉がある”


“幸せになって 全力の笑顔を見せて“

“それが僕の幸せ”




やっぱりこの歌は…


”君に出会えた事は神様からのプレゼント”


ドクンッ
この言葉。。


“大丈夫 僕は君より幸せになるから”

“だから 遠慮なんかしないで 最高に幸せになってくれ”



はじめは悲しげなメロディーだったのに、ラストは力強い音に変わっていく。

歌詞に寄り添っている曲。


すごすぎるよ。


演奏が終わると大きな拍手に大きな歓声。

私も夢中で拍手を続ける。



桜ちゃんも加藤くんも、大きな拍手をしていた。
< 222 / 400 >

この作品をシェア

pagetop