放課後の片想い
ライブが終わり、片付け作業。


鈴原くんと足立くんたちバンドメンバーの周りはずっと人だかりだったけど、ようやく落ち着いてきた。

3人で2人の元へ向かう。



「鈴原くん、足立くん!お疲れ様!すっごくかっこよかったよ!!」

「日和ちゃーん♪見に来てくれてありがとうー!」

私へ抱きつこうとするポーズの足立くん。
すかさず鈴原くんが止める。

「なんでお前が抱きつくねん」

相変わらずな足立くんに笑っちゃう。



「足立!」

「桜も見に来てくれてありがとう」

「私、頑張って前進むね!」

「応援してる」

2人の様子を、私、鈴原くん、加藤くんで見守る。



「鈴原、まじかっこよかった」

「サンキュ。お前の警官もかっこよかったけど」

「あれ恥ず過ぎ。忘れてー」

「加藤くんの写真、売られてたよ」

「え!?まじ!?最悪!!」


桜ちゃんと足立くんがまた話せるようになって本当によかった。



「日和、片付け終わったら迎えに行くから後夜祭まわろ」

「うん!!楽しみ♪」


伝えたいことがたくさんあるけど、2人の時に言おうっと。



「鈴原ー!」

鈴原くんのクラスメイトが呼んでいる。


「わり!ちょっと行くわ」
鈴原くんは片付けに戻っていった。

加藤くんも桜ちゃんの元へ向かう。



「足立くん」

「ん?」

「とっても素敵な歌で感動しました。」

「照れるわぁ〜」

「…あの歌って桜ちゃんへのメッセージだと思うけど…」

「けど?」

「鈴原くんへの歌でもありますよね?」


少し驚いた顔の足立くん。



「どうしてわかったん?」

「鈴原くんから聞いてます。足立くんはすごく人の事を見てる人で考えてる人だって。友達として大切な鈴原くんもイメージしてるんじゃないかなぁって直感ですが感じました」


「それ気付いたん、たぶん日和ちゃんだけやわ」

「えへへ。すごいですか?」

「すごすぎ」

そう言って私の頭を撫でる足立くん。


「俺にとって悠は親友だしな。アイツはどうか知らねーけど」

「鈴原くんにとって足立くんも絶対親友です」


「ありがとう。あっ、ミスコンの時の日和ちゃんの言葉、パクらせてもらっちゃった。急遽1文だけ変えたんだ」


「そうだったんですね!同じだったからびっくりしました」


「良い言葉だな」


本当に。
鈴原くんが言ってくれた大切な言葉。



「じゃあ、俺も行くわ」

「長々話しちゃってごめんなさい」



足立くんが近づいてくる。

「I want to know you more.」


耳元で囁かれた言葉。


え!?


足立くんは片付けへと向かっていった。
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