放課後の片想い
「…あっお邪魔します…」


緊張が凄すぎる。
恐る恐る玄関からリビングに向かう。
前に来た事あるけど、不思議となんだかその時と景色が違って見えてしまうほど緊張している。


「パパ!日和ちゃん来たわよ」


ソファに男の人が座っていた。
鈴原くんのお父さんだ!!


「あっ!初めまして!!お正月に申し訳ありません」


「君が日和ちゃんやね。初めまして。悠がいつも世話になってるね」

笑った顔が鈴原くんに似てる。


美男美女のご両親だ。。。
さすが、遺伝。。。


こんな事を考えれている私。
なんとか緊張を和らげようとするけど、やっぱり無理だ。。




「じゃあ、俺の部屋行ってくるわ」

「はぁ?何考えてんの?せっかく来てくれたんやからご馳走させて!日和ちゃん、お腹減ってる?」

「母さん、日和気遣うし」

「あんたは黙ってなさい。あんただけ部屋行ったら?」


あっ、鈴原くんのお母さんだ

なんて思えたやり取り。


鈴原くんがたじたじになってる。



「くすっ」

はっ!!
私は無意識に笑ってしまった。



「何笑ってんねん日和」

「あっごめんね!なんだか安心するなぁって思って」


鈴原くんとお母さんも笑ってた。



「大したものないけど、よかったら食事していって♡一緒にお喋りしましょう♪」


緊張するけど、嬉しい。

「はい。お言葉に甘えさせていただきます。ありがとうございます」


「そんな堅っ苦しくしなくていいから〜」



お母さんがキッチンへ向かう。

「私手伝います!」

「ありがとう!でもいいのよ♡ゆっくりしてて。可愛い着物が汚れちゃうわよ♪」



鈴原くんが近づいてきてボソッと呟く。




「1番2人きりになれへん場所やった…」


それを聞いた私はやっぱり笑ってた。
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