放課後の片想い
「何食いたい?」


図書館を出て、足立くんとお店探し。


「あっ!新しく出来たバーガーショップどうでしょうか!?」

「お!いいね♪そこ行こう」


お店に着くと、思ったり混んでなくてすぐに座れた。

足立くんに先に席取っててって言われて、注文とか任せてしまった。



「あの人、かっこいい〜」

周りからそんな声が聞こえる。



女子たちの目線の先には、足立くん。


その人が私がいる席にやってくる。


なんか、すごい目線を感じてしまう。。。

すみません、相手が私なんかで。。。




「ん?何かあった?」

「え!何も!!」


私が勝手に周りを気にしてしまってるだけ。


「あっ!買ってきてくれてありがとうございます。お金渡します」

「いらねー。俺が誘ったし」

「そんなのダメです!ちゃんと受け取ってください!」

「じゃあさ、敬語やめてよ」

「あっ…」


なぜか、足立くんには敬語が抜けない。


「すげー壁感じるんだけど」


ガタッ!!

「そんな事ないです!!」

思わず立ち上がってしまった。


足立くんはそんな私を見て驚いている。
もちろん、周りの人たちも。


「すみません…」

周りにペコッと謝って座り直す。



「壁とかじゃないです!そんなの無いです!」

誤解して欲しくない。


「足立くんには感謝の気持ちでいっぱいだし…何より私にとって大事なお友達なので…」

ちゃんと伝えなきゃ。


「あっ!でも、逆に迷惑かもですよね!」

言ったそばから逃げ越しな私。


黙ったまま私を見てる足立くん。

嫌な思いさせちゃったかな…。


「サンキュ。なんかすげー嬉しい」


そんな足立くんから、まさかの言葉。



「えっと…いえ…」

じっと見つめられてこんな事を言われたからか、照れてしまう。
それを隠す為、私は俯いた。



「まぁいいよ♪日和ちゃんに任せる」

ニコッと笑ってくれた。
壁なんか無い事が伝わったかな。


「ありがとうございます」


なんかね

「足立くんって同い年だけど、年上に感じるんです。だからか、敬語になっちゃって」


「なにそれ。俺老け顔って事かー」

「えっ!違う!そういう意味じゃなくて…!!」

「あはは!わかってるって♪日和ちゃん、からかい甲斐があるわぁ」

「足立くんのバカ…!」

「はいはい。バカの足立くんですよ♪」


不思議。
足立くんにこんなに素で接する事が出来るなんて。


イマイチ掴みきれない所がある足立くんだけど、最近は少しずつ見えてきた所もあってそれが嬉しい。



「足立くん、ご馳走様でした」

「いーえ」


お店を出て家に向かう。


「あっ雪」

「なんか日和ちゃんといる時、よく降るなぁ」

「クリスマスの時も降ってましたね」


足立くんには、泣いている所や悩んでる所とかたくさん見せてきちゃった。

でも、足立くんはそんな私を受け止めてくれた。

だから私は、何か少しでも私に出来る事は精一杯力になりたい。


「ねぇ、足立くん」
< 258 / 337 >

この作品をシェア

pagetop