放課後の片想い
勢いで抱きしめてしまったけど、すぐ離れた。
ギリギリ理性が勝ったかな。


今思えば、この時から日和ちゃんに惹かれていたのかもしれない。



それからの俺は、気づけば目で日和ちゃんを追っていた。

でも、その度に自分に言い聞かせる。


【親友の彼女】だと。


すげー大事な親友。

だからこそ、この自分の気持ちに戸惑ってしまう。





「鈴原くんへの歌でもありますよね?」

これには正直ビビった。
なんでもお見通しなんだな。


だからかな

もっと君を知りたい。


そんな感情が溢れて止まらなくなった。



【親友の彼女】

わかってる。

わかってるけど、止められない。


悠の夢を聞いて戸惑ってるのに、なんとか毅然に振る舞おうとしてる。

俺の前だけ、本音出してよ。

どんな君も受け止めるから。
受け止めたいんだ。


悠を想って泣きじゃくる日和ちゃんを見てたら、もう理性が効かなくなった。

抱きしめてしまった。


「俺にしたら?」

柄にもない事を言った気がする。

冗談ってごまかしたけど本音だよな、俺。


ねぇ、少しでもいいから俺を見てよ。



あぁ、俺


完全に日和ちゃんが好きだ。
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