放課後の片想い
「はい!この前のお礼です」


律儀に、俺が言ったチョコパンをくれた。
ジュース付きだし。


日和ちゃんにとっては大した事じゃないだろうけど
俺はすげー嬉しい。

ヤバイ。
悠もいるのに、顔がニヤけてしまう。


相変わらずの謎の敬語が抜けない日和ちゃん。
そんな君も愛しい。

完全にハマってしまってる。



初めて日和ちゃんを見た時の本を読んでいた姿が印象的で、新しく出来た図書館にどうしても誘いたかった。


俺、結構勇気出して誘ったんだよ?
絶対わかってないだろうけど。



2人でいられる幸せ。
それと同時に
触れたいと思う感情。


そんなに可愛く笑うから、勘違いしそうになる。

少しは君に俺が映ってるのかなって。




悠、日和ちゃん、桜、加藤と一緒にいる時間が増えた。

友達って呼べる人が増えた。


素直に嬉しい。


この関係を守りたい。

親友の恋愛を応援したい。


そう思ってるのも本音なんだ。



だけどさ
感情ってなんだろうな。

うまくいかねー。





「うまく言えないけど…足立くんに何かあったら私でよかったら精一杯力になりたいから…頼ってね!!!」



今の俺にそんな事言う?


嬉し過ぎる。

嬉し過ぎるんだけど、我慢が出来なくなる。

応援しようとしてるのに、出来なくなる。



ほら、ね


抱きしめてしまう。

離したくない。



頼むよ

一度でいいから


「なぁ日和……俺を見て」


悠なんてやめてさ


「俺を見てよ」



言った。



後悔はしない。



「足立くん、何かありましたか?今ちゃんと見てますよ」



•••••••


まじか。


さすが、ど天然!



理性が戻ってきた。


いつか、ちゃんと聞いてもらえるかな。


そんな日が来てほしくないとも思ってるけど。



あーあ

俺ってほんとどうしたいんだか。
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