放課後の片想い
「命令すんなよ。自分で決めるわ」


俺の挑発なんかに乗らない。
なんとか受け止めようとしてくれてるんだろうか。



俺が間違ってるってわかってる。
悠の優しさをむげにして、少しでも自分が楽になれるようにしようとしてる。

責められた方が楽なんだ。




「は…余裕な事で。俺なんかライバルにもならないってか?」


ほんとはこんな事言いたくないのに出てしまう言葉。
それと同時に、日和ちゃんを手に入れられない現実の苛立ちが言葉になる。

結局本音だよな。



「彗、そろそろいい加減にしろよ」


「お前こそ、そのすましたような顔やめろよ」


悠の襟元から手を離す。



「俺は知ってる。日和ちゃんがお前の事で悩んでたくさん泣いてるのを。何度も見た」


「…何が言いたいねん」


「俺ならそんな思いは絶対させない」


「俺は絶対日和をだい……」

悠が言葉に詰まる。



「俺は絶対日和から離れへん」





2人の仲を壊したくなんかないのに



「俺は遠慮なく攻めさせてもらうから」


「好きにしろよ」



俺は先に屋上を出た。



俺は一体どうしたいんだよ。
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