放課後の片想い
カラオケは桜ちゃんと来たっきりでまだ慣れてないけど、みんなで来れた事が嬉しい。


途中トイレで部屋を出て、トイレから戻ろうとしたら

「あれ?部屋どこだったかな」


部屋番号を忘れてしまった。


どうしよー!!



トイレは下の階だったので、とりあえず上にあがろう。


そうしていると


「日和」


鈴原くんもトイレから出てきた。



「わぁ!よかったー!」

「え?どしたん?」

「部屋番号忘れちゃって」

「相変わらずドジやなぁ」


ニッと笑う顔にドキッとする。



なんだろう。
鈴原くんと一緒にいると、自分でも信じられないような気持ちになる。



気付けば私は背伸びをして、キスをしていた。



5秒ほど経っただろうか。


唇が離れて、我にかえる。




かぁぁぁっと顔が一気に赤くなるのがわかった。


「わわわ!ごめんね!」

私は恥ずかし過ぎて急いで鈴原くんから離れようとした。



すると、グイッと腕を引っ張られた。


近くにあった非常階段の扉を開ける鈴原くん。




「ここなら人来うへんかな」


ドキンッ



「日和が煽ったんやで?」


そう言いながら意地悪な笑顔をする。


私の髪を耳かける。

「…ひゃっ…」

その時に鈴原くんの手が私の耳に触れて、それだけでドキドキが一気に加速する。



「もう一回、日和からキスして?」


私は首を横に振る。


「なんで?」


「…恥ずかしいから……」


心臓が飛び出そうなぐらいドキドキしてる。




「ふーん…じゃあ、俺もキスせーへん」


意地悪…

Sな鈴原くんだ。




「目…瞑って…?」


鈴原くんの胸元の制服をぎゅっと握る。



「はいはい」

目を閉じる鈴原くん。



私はさっきのように背伸びをしてキスをした。


もうドキドキは限界にきてる。


一瞬、唇が触れるか触れないか程度のキスをしてすぐ離れようとしたら


後頭部をグッと寄せられて、また唇が触れ合う。



「んん…!」

鈴原くんの舌が入ってきた。


息を忘れてしまいそうなぐらいのキス。
頭がぼーっとしてくる。


一瞬離れた隙に呼吸をする。

でも、またすぐに触れ合う唇。
私も離れたくない。
まだ、もっとキスしたいって思っちゃってる。
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