放課後の片想い



体育が終わり着替えて足立くんと教室に戻った。


「おー、足立大丈夫か?」

「全然余裕♪」

「日和もおかえり」

「ただいま」


チラッと鈴原くんを見ると席に座ったまま、窓の外を見ている。



「鈴原、あれから教室戻ってずっとあんな感じ」


そうなんだ。
なんだか少し元気なさそうに見えるのは私だけかな?




「鈴原くん」


私は鈴原くんの元へ向かった。



「なに?」


あれ?
鈴原くん?


「えっと…なんか元気ないかなぁ…って」

「別に普通やで」

「…そっか。ならよかった」


・・・・・・・・・・


えーっと…


「もうすぐお昼ご飯だね」

「うん」


・・・・・・・・・・・・・・・


さっきまで普通だったよね?
どうしたんだろ……

「鈴原くん、やっぱり何かあったかな?私でよかったら聞かせ…」

「なんもないって言ってるやろ!!」


鈴原くんが立ち上がって、私の言葉を遮るように叫んだ。


私は驚いて声が出ない。


「ほっといて」


そう言って教室から出て行った。



クラスメイトが私たちの様子を見てざわついている。


「日和、どうしたの!?」

桜ちゃんがそばに来てくれた。


あんな冷たい鈴原くんの目、見た事ない。


私が何かしちゃったんだ。


「日和…!?」


「桜ちゃん、ごめん。行ってくる!」


このままじゃだめ。
絶対だめ。


理由はわからないけど、本能がそう言ってる気がした。


私は鈴原くんを追いかけた。
< 290 / 339 >

この作品をシェア

pagetop