放課後の片想い

裏切りの夜と大きな覚悟

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スゥ…


泣き疲れたのか、眠ってしまった日和。



悠と付き合ってからの日和は泣いている事が多い気がする。


ぎゅっ




「俺なら絶対泣かせないのに…」





悠とあの女がキス…?

どういうことだ?



やっぱり学校の帰りに悠のところに向かってたんだな。


そこでキス?してる所を見てしまって、あの公園にいたってわけか。


放心状態だったんだろうな。



また日和を強く抱きしめる。



「無事でよかった」



日和を抱っこして部屋へ向かう。

そういえば部屋って…



扉にHiyoriと書かれたプレートがあってすぐわかった。
日向は隣ね。



勝手にごめんだけど、入りまーす。。


ドアを開けて日和の部屋に入る。



シンプルな部屋で日和らしい。



ベッドに日和を寝かせてふと下に目をやると、スーパーの袋が。

帰りに日和が持ってたやつ。



袋の中がチラッと見えた。

ドリンクや甘いものや色々入っている。



「悠への差し入れか…」


日和の頬に触れる。
そして目元。


こんな腫れるまで泣いて…





「もう泣くな…」


俺を見て



「ん…す…」


起きるか?





「すず…は…らくん…」


寝言か…


一粒、すーっと日和の目から涙がこぼれた。




夢でも悠といるのか。





なんでだよ






自分を止められない。




ギシッ—・・・





「好きだよ」






俺は眠っている日和にキスをした。




親友を完全に裏切った夜。
夜中2時を回っていた。
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