放課後の片想い

「ん…」

目が覚めると7時過ぎだった。


あれ?
私、いつの間に寝たんだろう。
しかもベッドで。



ふと足立くんが気になり、そっとひなちゃんの部屋のドアを開けた。



「よかった。寝てた」


ん!?
よかったって何!?



なんだか…足立くんがもしかしたらいないかもって思った自分がいた。


なにこれ…



「のぞきなんて日和のえっち♡」

声が聞こえたと思ったら、ベッドから足立くんが起き上がった。


「わわわ!!起こしちゃったならごめんなさい!!」


「いやーちょうど起きたところ。俺に会いに来てくれたの?」


「はい!?違います!ト…トイレ!そう!トイレに行って戻ってきて部屋間違えただけです!」

我ながら呆れるほどの下手くそな嘘。


「ぶはっ!そうなんだ。ざーんねん♪」



私の頭をポンポンと撫でて部屋を出る足立くん。


「顔でも洗おっかなー。腹減ったし」

「朝ごはん用意しますね」

「ありがとう」


洗面所に向かう足立くんの背中を見送る。




「なんかさー」

立ち止まって振り向く。


「?」


「起きてすぐ会えるって最高だな」



ドキンッ


そんな嬉しそうに笑うから、鼓動が大きく波打った。



「日和の寝癖も見れるし♡」


はっ!!!

今の自分の姿に我に返る。



「足立くんのバカー!!」


なんだかすごく穏やかな気持ちの朝。
それは絶対に足立くんのおかげ。



「日和!朝からうるさいわよ!」


リビングからお怒りの声。




私が怒られた、、、


足立くんはベーッと舌を出してイタズラに笑っていた。
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