放課後の片想い
席に戻って早速提案!
「私この後行きたい所あるから別行動しよっか!」
「どこ行きたいの?」
「私が案内するでー」
ダメだ…!
伝わらない。
「俺がさ、日和とデートしたいからちょっと別行動してー♪」
足立くん!!
ナイスお助けです!!
ひそっ
「あんな理由じゃ無理に決まってるだろ」
「ごめんなさい…」
ポンポンと頭を撫でてくれた。
お会計。
「あれ?日和の分、高いやん。なんで?」
「えへへ。実は鈴原くんにお土産を買ったの。ここのチーズケーキ、すごく美味しかったし」
「悠は愛されてるねー♡」
「そっそんなんじゃないよ!!練習の差し入れみたいな物だよ!!」
あぁ、それでさっき店員さんに話しかけてたのか。
グイッ
「日和行くよ」
少し強く引っ張ってしまった。
ただの八つ当たり。
どうしても悠に敵わない自分への八つ当たりを、日和にぶつけてしまった。
こんな情け無い男、そりゃ勝てないよな。
加藤、桜と別れて日和と神戸の街をぶらっとする。
俺にとってはデートと一緒。
「足立くん、生田神社行きませんか?」
「うん」
嬉しそうにお土産のチーズケーキを持ってる。
俺、わかってるはずだろ?
何があったって日和と付き合える事はない。
それは今2人が別れてたって同じ。
「何お祈りすんの?」
「んー、たくさんあって迷いますね」
手を叩いてお祈り。
………日和、長いな。
やっと目を開けた。
「長かったな」
「欲張っちゃいました」
えへへと笑う顔も可愛い。
あぁ、諦めなきゃなのに日に日に日和にハマってるな。
「悠の事〜?」
ほらまた、どうせ返答にへこむくせに聞いてしまう。
「ちっちがいますよ!!そりゃちょびっとは…」
よかった。
君が真っ直ぐそうだと答えていたら、結構ヘこんでしまってたと思う。
俺ってなかなか女々しい。
「ふーん。1つだけ教えてよ」
「口にしたら叶わないかもですよ」
「俺が叶えるから♪」
「意味わかんないですよ!」
俺は相当バカで最低。
願い事聞くとか終わってる。
「…えっと1番は私の周りの大切な人たちがずっと健康で幸せでいれますように、ってお願いしました」
えっ…
「もちろん足立くんもですよ。私にとって大切な人ですから」
いつも言ってくれる。
俺を大切な人だって。
それは悠とは少し違う意味だってわかってる。
だけどさ、やっぱ嬉しいんだ。
ニコッと笑って言ってくれる君が、大好きなんだ。
「…バーカ」
「なっなんでバカ!?」
君が大好きだよ。
いつも周りの事を気にして、自分の事は二の次。
そんな不器用で、でも一生懸命な君が大好きだ。
「悠、迎えに行こうぜ」
「足立くんのお願いも教えてくださいよー」
「気が向いたらね」
“日和が幸せに過ごせますように”
これが叶うなら、俺は君の隣にいれなくても良い。
そう思えるように少しずつなってきてるから、あと少し時間をちょうだい。