放課後の片想い

班ごとに分かれて、バーベキューの準備からスタート。


「日和、野菜切るの上手〜!」

「そんな事ないよ。家でも簡単な物しか作らないし」


男子たちは火をつけてくれたり、お肉を持ってきてくれたり。


「私さぁ、ほんま子どもよね」

「?」

「さっき加藤にあんな態度取っちゃった」

「加藤くんが大好きだから、ヤキモチも妬いちゃうよね」

「わっ!!大好きとかそんなんじゃ……」


照れて顔が真っ赤の桜ちゃん。
そんな桜ちゃんも、とっても美人。
見惚れるぐらい。


「加藤くんに気持ち伝えないの?」

我ながら確信をついてしまった。


「………」

「あっ!ごめんね!無神経な…」
「加藤さ、進学悩んでるねん。弟くんたちやお母さんを助けたいから進学せずに働くかもって言ってて」


え………


「だからかな…加藤が働くとお互い過ごす世界が変わるかもって気にしててさ…」


すごく切なそうな、泣きそうな桜ちゃん。


「私は恵まれてるなって感じた」


私こそそうだよ。


でも


「うまく言えないけどね…どんな事情があっても気持ちは素直に伝えなきゃ絶対後悔するよ。私は桜ちゃんにそんな後悔して欲しくない」


私がよく言うわって感じだけど、大切な親友だからこそ辛い想いをして欲しくない。

いや…

「もしかしたら伝えても辛い事があるかもしれないけど…だけどしなくてする後悔よりしてからの後悔の方が良いなって思うの」


わっ私、どっちにしても後悔する前提で話してる!!??


「あれ!?うまく話せない…!えっと……」


「あははは!!!」

私が戸惑っていると、桜ちゃんが大きな声で笑い出した。


「日和大好き♡ほんまにありがとう!勇気出た!!」


「桜ちゃん…」

私の伝えたい事、少しでも伝わってたらいいな。


「いっそ日和と付き合おかな?」

「えっ!!??」



—————・・・


クスッ

「わぁ〜悠が急に笑い出した〜。引くほどキモイんだけど」

「あ?しばくぞ」

「鈴原も足立もサボらず準備手伝ってよー」


会話はさすがに聞こえないけど、あの様子だと桜、スッキリした感じやな。


「やっぱり日和可愛いわ」

「急になんだよ」

「やっぱり好きやなーって再確認」

「俺も再確認♪」


ダンッ!!!


目の前に機材が降ってきた。


「いい加減にしろよ、お前ら」

「「申し訳ありませんでした」」


加藤こえー………
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