放課後の片想い

「賑やかなご飯で嬉しいわぁ〜」

お母さんはとってもご機嫌。


「急に来た俺まですみません」

「そんなの気にしないで!いっぱい食べてね」

「ありがとうございます」


鈴原くんと足立くんがウチでご飯を食べている。
春休み以来だなぁ。


なんだか嬉しくて顔がにやけちゃう。


「日和、ニタニタしてる」

「わっ!そんな事ありません!」

足立くんに見られてた!?


「日和すぐ顔に出るねんから」

「鈴原くんまで!!」


お母さんは私たちのやり取りを見て、ニコニコしている。




「鈴原くんもデザートにケーキ食べない?足立くんが買ってきてくれたのよ」

「あっはい。お言葉に甘えて」


私は洗い物中。


鈴原くんと足立くんは何か言い合ってるけど、キッチンには聞こえない。


「日和、モテモテじゃない♡」

「え!?」


お母さんがヒソヒソ声で話しかけてきた。


「2人ともかっこいいし優しいし、選べないわよねぇ〜」

「はい!?何言ってるのお母さん!」

「てか、あなた鈴原くんと付き合ってるんじゃなかったの?お母さん、てっきりそうだと思ってたわ」


さ……さすがお母さん。
なんでもお見通しだな。


「う…うん。そうだったんだけど…」


お母さんは私の手にそっと自分の手を添えた。


「お母さんでよければいつでも相談しなさい。あなたよりたくさん生きてるんだから」


お母さんの温もりが手からも言葉からも伝わって、泣きそうになった。


「あ…りがとう」

お母さん……



「さっみんなでケーキ食べましょ♪」

「うん!」


なんだかプチケンカ?みたいなのをしてる2人の元へ向かった。
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