放課後の片想い

あれ?ちょっと眩しい…


「わっ!!!」

目が覚めると朝だった。
時計を見ると6時過ぎ。

あれ!?
ここどこ!!??


頭の中がパニック。


あっ!!
足立くんの部屋だ!!

って待って!
お母さんに連絡しなきゃ!!

っていうか、足立くんはどこ!!??


パニックがさらにパニックを起こし、大変な騒ぎ。


ガチャ

「起きた?おはよう」

「足立くん!ごめんなさい!私ベッドで寝ちゃって」

「おばさんには日向から連絡してもらったから大丈夫だよ」

「そうなんですね…」


ひとまずホッとする。


「足立くん、熱は…!?」

「もうすっかり良くなった。日和のおかげ」

「ほんとですか?」

「うん、ありがとう」


よかったぁ。

「じゃあ私…帰りますね」

「こんな早く帰るとおばさんに怪しまれるかもよ。たぶん友達ん家泊まるとか言ってるだろうし。とりあえず風呂でも入って汗流せば?」


え!!
お風呂!!??


そういえば、汗かいてるのにお風呂入ってない…


「いえ、着替えもないし…」

「俺の服でよかったら着てよ」


結局甘えてお風呂に入らせてもらった。
汗を流してスッキリ。

あと少しだけ居させてもらって帰ろう。
朝ごはんでも作ろうかな。


そんな事を考えながら洗面台で髪をタオルで拭いていると……


「えっ……」


バタバタバタッ!!!


「あっ足立くん!!!」

「どうしたの?」


ドクンドクンッ

もっもしかしたら蚊に刺されただけかもだよね


だってそんなはず…


「あっやっぱり何もないで…きゃっ」

足立くんが近づいてきて、私は壁に押しやられた。

(これは…壁ドンっ……って今はそんな事いいから‼︎)



「気づいた?」

「な…なにを…」

「ごめん。我慢出来なかった」

お互い主語を隠す。

だけど、何を言っているのかわかってる。



「俺が日和を好きな証」

そう言って私の首筋にある赤いあざを撫でる。


「ひゃっ……」


「怒った?」

「ひっひどいです…足立くん。私が寝てる間に……」


「起きてたらいいの?」

「そういう意味じゃ…!!」


意地悪な足立くんだ。
だけど、いつもの意地悪より……


「日和、油断し過ぎ。俺、男だよ?」

「…わかってます……」

「わかってない。俺の事全然意識してない」

「何言って…きゃっ!!」


足立くんの手が腰の所から入ってきた。


「えっ…足立くん、待って…!」


首筋にチクッと痛みが走る。
前に鈴原くんに感じた時に似てる痛み。


「や…足立くん…!」

足立くんの手がどんどん上にやってくる。



足立くんが私を見る。

その表情がなぜか私には優しくて、でもすごく切なそうな今にも泣きそうな顔に見えて何も言えなくなった。

怖いのに、だけど拒否出来ない。
それよりも泣かないでって気持ちが大きくなる。


どうしてそんな悲しい表情をしているの?



「ごめん、日和…嫌いになっていいから」

そう言って足立くんは私にキスをした。
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