放課後の片想い


次の日。


ヴーッヴーッ

「もしもし!」


「わっ!出るのはやっ!」


「終わりましたか!?」

「うん、無事終わったよ」

「わぁ〜!よかったです」

「まぁ、まだ結果待ちだから安心は出来ないけど」



ひとまず足立くんの入試が無事に終わり、一安心。


来週は桜ちゃんの入試。
そして、鈴原くんの本選。




「なぁ、日和。今からちょっと会える?」

「今から?」



なんだろ、この気持ち



なんだかすごく…

「嬉しい…」

「え?」

「私も会いたいって思ってたからかな…。すごく嬉しいです」



「………はぁー…」


スマホ越しに聞こえてきたのはため息。



引かれちゃったかな!?



「あっ…変な事言ってごめ…「今家?」

「へ!?う…うん」

「すぐ行く」


電話が切れた。



何のため息だったんだろう。。

素直に気持ちを言ってしまった。。

キモイって思われちゃったかな。



あー、時間を戻したいよ。





部屋をウロウロしたり、リビングに行って何か飲んだり、落ち着きのない私。


足立くん来てくれたら、まず謝らなきゃ。

キモイ事言ってごめんなさいって言わなきゃ。





ピンポーン…


インターホンの画面を見ると足立くんが。


なんだかすごく緊張する。

どんな顔して会えばいいかな。



入試お疲れ様って言わなきゃ。
会えるのが嬉しいのに、不安になる私。



大きく息を吸って、ドアを開けた。





「えっと…足立くん、あのー…」



あれ?


私、今どうなってる?


気付けば足立くんに抱きしめられていた。



足立くんの体温。
足立くんの香り。



「おばさんは?」


「…お母さん?仕事だよ」



足立くんの腕の力が強くなる。



「あのね、足立くん。私さっき変な事言ってしまって…」

「黙って」



少し身体が離れたかと思ったら、唇を塞がれた。



どれぐらいの時間が経ったんだろう。



「ん…」


足立くんの少し長いキスに、さっきまでの不安が一気にかき消された。



「あんな可愛い事、電話で言うのズルすぎるわ」

「可愛い…!?」

「俺に会いたかったんだ?」


カァッと顔が赤くなるのが自分でもわかった。



「えっと…足立くん引いたんじゃ!?」

「は?なんで?何を引くの?」

「私…キモイ事言っちゃったかなって…ため息吐いてたし…」


モゴモゴしちゃう私。



「あー…それはさ」

「??」

「可愛すぎて今すぐにでも抱きしめたかったけど、自分を理性で押さえてただけ。そのため息だわ」


またまた顔が赤くなってしまう。



「嬉し過ぎたから。これからも言って?」


大好きな足立くんの笑顔。



「不安に…なりました。嫌われちゃうんじゃないかって」



あぁ、私きっと



「またキスするよ?」

「はい」

「それ以上さ可愛い事言うと…」


足立くんはここで言葉を止めて、優しいキスをしてくれた。





あなたが好きです。
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