放課後の片想い
「クッキー好きかしら?」

「はい、好きです」


今の状況がなかなか理解出来ない。


どうして鈴原くんは家にいるの?
どうして私は鈴原くんにお茶を出してるの?


一緒にいれる事はすごく嬉しいんだけど、心の準備が全然出来てないよー!!!




「それにしても、こんなかっこいいお友達が日和にいるなんて!日和、お母さんに教えてよね」

「はは…」

暴走気味のお母さんに私は愛想笑い状態。



「タコさんウインナー、美味しかったです」


「ぶはっ!!!」
鈴原くんのその言葉に、漫画のようにジュースを吹き出す私。


「ちょっと日和、何してるの!?染みになるから着替えてらっしゃい」


お母さんと鈴原くんを2人っきりにするのはなんだか少し心配だったけど、仕方ない。

部屋に行く直前、チラッと鈴原くんを見ると

「ア・ホ」

と、口パクで言われた。


またアホってーー!!

私は無視して部屋へ向かった。



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「ごめんなさいね、落ち着きのない子で」

「いえ、いつも楽しませてもらってます」

「私も…テンションが上がっちゃって色々と聞いたりしてごめんなさい。日和がお友達を家に連れてくるなんて中学1年の頃以来だったから嬉しくなっちゃって」

「そうだったんですか」

「あの子、学校ではどうですか?中学の頃にちょっとした事からお友達と揉めて、そこから仲間外れのような事が始まったの。学校にも行かなくていいって言ったんだけど、あの子は卒業まで行き続けたわ」

「今、その同級生たちは?」

「同級生たちとなるべく被らない学校を選んで今の高校にしたの。だから中学卒業と一緒に引っ越してきたのよ。それ以来、中学の同級生とは会わなくて済んでるわ」

「…………」

「あの子は友達を作る事をやめたように見えていたの。母親として何も力になれてないのが悲しくてね。だから、今日日和があなたと一緒にいる所を見て嬉しくて嬉しくて。これからも、あの子の事を宜しくお願いします」

「…僕の方がです。僕は日和さんに何度も助けてもらいました。感謝してもしきれないぐらい。これからもずっと一緒にいさせてください」

「あなたみたいな人に出会えて日和は幸せ者ね」

「いえ、僕が幸せ者なんです」

「本当にありがとう。今の話は日和には秘密ね」

「はい、わかりました」

「あの子、全然降りてこないわね。呼んできてもらってもいいかしら?」

「はい」


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