放課後の片想い
決まらないーーーー
今まで服になんて無頓着で悩んだ事なかったけど、今日は鈴原くんがいる!!
何を着ればいいかわからない!!!
これも変。
こっちも変。
制服以外服がない。
どうしよう。
これが1番マシかな。
少しよれっとしたTシャツとジーパンにした。
恥ずかしい。。。
鏡の前でうなだれていると
コンコン
ノックの音がした。
さすがに遅すぎてお母さんが来ちゃったかな。
ガチャ
「お母さん、待たせてごめん…」
ドアを開けるとそこには鈴原くん。
「え、鈴原…くん」
「お前、遅い」
あれ!?少し怒ってるかな!?
「ごめんなさい。。。」
「おばさん、待ってるぞ」
「すぐ行く!」
よかった。服に触れられなかった。
まぁ、私の服になんか興味ないか。
前を歩く鈴原くんを見ると少し耳が赤く見えた。
「日和、着替えにどれだけかかってるの!お友達来てくれてるのに!」
「ごめんなさい。。。」
服が全部変だったとはさすがに言えない。
「俺、もうそろそろ行きます」
え!帰っちゃうの!
今降りてきた所なのに。
「これ…」
鈴原くんがリビングにあるCDを指差した。
「これは日和がお小遣いで買ったものよね」
わぁぁ!!お母さん、言わないでー!!!!
「自分で買ったん?」
「そう…。私クラシックとか無知だったんだけど、鈴原くんのピアノを聴いてからたくさん知りたくなっちゃって…」
ぼそぼそと小声で言うのが精一杯。
「結構たくさん買ったんやな」
「日和がクラシックアルバムを買い出したのは鈴原くんの影響だったのね!本当に素敵なご縁ね」
私、きっと今顔真っ赤。
ヤバイ。
「またいつでもいらっしゃいね」
「はい、近々また来ます」
今何と!!??
「お邪魔しました」
そう言って出ていく鈴原くんを玄関外まで見送る為、私も外に出た。