放課後の片想い
「鈴原くん、お母さんが色々喋っちゃってごめんね」
恥ずかしくてたまらない。
「おばさん、楽しい人やな。クッキーもお茶もご馳走様。」
「お母さん、なんだか今日はテンション高かった気がする」
あんな嬉しそうなお母さんを久々に見て、実は私も嬉しかった。
「クラシック、聞くんだな」
ドキッ
「うん…実は……」
「ん?」
「引かれるかもだけど、、高1の夏頃に初めて鈴原くんのピアノを聴いたの。その時にすごく感動して、鈴原くんが弾いている音楽は何てタイトルなんだろう、誰が作ったんだろうって色々知りたくなっちゃったの。少しでも鈴原くんのピアノに近づきたかった。」
ヤバイ。言ってて恥ずかしい。
「って、そんな前から勝手に聴いてたって普通引くよね」
また俯いちゃった私。
グイッ
「きゃっ!!」
気付けば鈴原くんに抱きしめられていた。
昨日のように。
「鈴原くん…!?」
「ヤバイ…むっちゃ嬉しい。。」
鈴原くんの腕の力が強くなる。
「昨日も言ったやんな?可愛い事言って俺を煽ったら知らへんで?」
煽る!!??
「煽る!!??私何もしてないよ!!」
またギュッと力が強くなる。
でも、私やっぱり嫌じゃない。
まだこうしていたい。
出来ればずっと…