放課後の片想い

最低なきみとの再会

終礼がなる。

第3水曜日の今日は、放課後に委員会がある。


「前川、ごめん！今日も俺行けないんだけど宜しく！！」

同じ委員会でクラスメイトの加藤くん。
でも、まだ委員会には一度も来たことがない。

「いいよ。バイト頑張ってね」

加藤くんは母子家庭で、学費を少しでも自分で稼ぎたいって気持ちからバイトを頑張っている。
同じ委員会に決まった時に教えてくれた。

「いつもごめんな！また借り返すわ」

ニコッと笑いながらそう言って走って帰っていく加藤君。
そんな加藤くんを見送る友達。
「加藤〜！今日もバイトかぁ？」
「頑張ってねー♪たまには私と遊んでよー♡」


明るくてムードメーカーな彼はクラスの人気者。

そして私に普通に話しかけてくれる唯一の男子。
と言うか、クラスメイト。

他人と関わるのが苦手な私も、不思議と加藤くんには苦手意識がない。


「さて、、行くか」

ぼそっと独り言を呟いて委員会へ向かう。

今までの水曜日はいつもワクワクに満ちていた。
だって、次の日は木曜日だから。
大好きなピアノが聴ける日だったから。


でも、今日からは違う。
木曜日の楽しみもなくなり、憂鬱な水曜日となった。
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