放課後の片想い
楽しい登校時間はあっという間で、気付けば教室の前。



ドクンドクン



「日和、大丈夫か?」


ぎゅっと手を握りしめる。



「大丈夫。私もう逃げない」


「そっか」


ポンポンとしてくれる温かい手がさらに勇気をくれる。







ガラッ

扉を開けると、結構みんな揃っていた。

賑わっていた教室は一瞬静かになる。



「日和!おはよう!」

「前川、おはよう」

先に来ていた桜ちゃんと加藤くんが静かさを破ってくれた。



「おはよう!桜ちゃん、加藤くん」


私は席に向かう。

そう、いつも通り。


他の誰とも挨拶をせず、周りも私はいないも同然。



でも



「みんな…おはよう…」






俯いたままだけど、頑張って声に出してみた。
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