放課後の片想い
どれぐらい経ったのかわからない。


私は扉の前でずっと聴いていた。



すると、音が止まった。

ガタッと音がする。




ヤバイ!
出てくるかも!



立ち聴きしていたなんてバレたら大変!

私は急いでその場を離れた。




ペンケースは明日取りに行こう。。









家に帰ってからも、今日聴いた音色が忘れられない。


「すごく綺麗だったなぁ…」



また聴けるかな。


聴きたいなぁ。






きっと私はこの日に、鈴原くんのピアノの音色に恋をしたんだ。


そこから私は毎日のように放課後になると音楽室に向かった。


でも、あの美しいピアノは聴こえない。




「やっぱりもう聴けないのかなぁ…」

あれから1週間後の木曜日。
今日聴けなかったら諦めようと決意し、音楽室へ向かった。




すると


「聴こえる…」

あの大好きな美しいピアノが聴こえる。


嬉しくて階段を一気に駆け上がる。



秋だというのに音楽室に着いた時には息が荒く、少しだけ汗ばんでいた。




この日を境に【木曜日】が私にとって大切な曜日となった。
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