【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
ふたりにとって私はなんなのだろう。
金を持ってくる働き蟻かな。
それともただで働く家政婦かな。
どちらにせよ、娘に対しての愛情なんて欠片もない。
くじけそうになるけれど、下唇を噛みじっと我慢をする。
鉄仮面を着けて、本心を覆い隠すのだ。
……でも、時々考えちゃうんだ。
毎日働いて神経をすり減らして、ただ搾取されるばかりで。
私はなんのために生まれてきたんだろうって。