【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて




ビルに着くなり、私は寝室のベッドに押し倒された。

ぼふん、とベッドが跳ね上がる。


「こはく、くん……っ」


私を組敷く琥珀くんの瞳は仄暗い。

いつも私を見つめる瞳には優しさが潜んでいたんだって、こんな時に気づかされてしまう。


「あいつになにされた?」


低く、波のない声が耳朶を打つ。

その声には心配や苛立ち、焦燥など幾重もの感情が押し込められていて。

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