【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
Ⅴ.
最悪なことってどうしてこうも続くのかな。
高校の校舎裏。
私は複数の女子に囲まれていた。
「あんたさぁ、なんでそんなに偉そうなの? すっごい鼻につくんだけど」
「いっつもあんたがいるから、環ちゃんに近づけないの! あんた邪魔!」
やいやいぶつけられるのは悪意の礫。
クラスメイトの女子に大事な相談があるから呼び出され、のこのこ校舎裏にやってきたらこのざまだ。
今日、環は仕事があるから学校を欠席している。
環を面倒なことに巻き込まなくてよかったと、心の中でほっとする。