【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
「どうして帰ってくること、教えてくれなかったの?」
「莉羽のこと驚かせたかったから」
と太陽が、髪を拭いていた私の手を取った。
突然手を握られ、反射的に鼓動が跳ね上がる。
「でも驚いたのは俺の方だったな。莉羽、ますます綺麗になった」
「……なっぁ、な、なに言ってるの」
太陽はあくまでお世辞を言ってるだけ。
わかってるのに、次から次に繰り出されるストレートな甘い攻撃に、単純な私の心は動揺してる。
外国にいたせいかプレイボーイ感が増した気がするよ……。