【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
このまま、もしかして最後までしてしまうのかな……。
そう思うと急に緊張が込み上げてきて、私は思わず立ち上がる。
と、鏡の前のローテーブルの上に、グラスがふたつ置いてあるのを見つけた。
『当館よりウェルカムドリンクです』と書かれた小さな紙が添えられている。
ウェルカムドリンクってことは、飲んでもいいのかな。
緊張でからからの喉を潤したくて、私はぐいっとグラスを呷る。
するとつんとした苦みが口の中に広がった。
まさかそれがアルコールだなんて気づけなくて。
ほどなくして、頭の芯がくらくらして、なんだか気持ちよくて楽しくなって。