【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
ああ、なんだか頭がふわふわしているせいで、心の中に潜めていた思いが全部こぼれちゃうよ。
「それより! 私、怒ってるんです! 今日のお色気お姉さんはだれれすかっ!」
「え?」
私の腕の中に身体を鎮め、抱きしめてくれた琥珀くんが、身体を起こして私を見下ろす。
いつもなら言えない言葉だって、今なら強がりの仮面が剥がれて言えちゃうんだ。
「どうせ私なんかより、お色気お姉さんの方がいいんでしょ……」