【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
Ⅵ.




「莉羽、昨日は大丈夫だったか!?」


教室に足を踏み入れるなり、先に登校していた太陽に腕を引かれ、ひとけのない廊下の方へと連れて行かれる。


やっぱり、心配させちゃったよね……。


昨夜はあのあと琥珀くんとふたりでホテルに泊まった。

泊まった、というよりは、ホテルで介抱されたという方が正しいのかもしれないけど。

だって、もうまっさらなところがなくなっちゃったんじゃないかと思うくらい全身にキスを降らされ、琥珀くんの腕の中で気を失うように眠ってしまったから。


太陽には、パーティー会場を出る時に念のため『用事を思い出したから帰るね』とメッセージを入れておいた。

けれど、朝スマホを確認したら、太陽から何度も不在着信が入っていた。


心配性で過保護な太陽のことだから、きっとすごく心配してくれていたに違いない。

悪いことをしちゃったな……。

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