【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて


私は手を引かれるまま。

私の手を握る琥珀くんの手は、振りほどく気になればきっと私にも振りほどけちゃう強さ。

だけどそうしないのは、そこに私の意思があるから。


その時、制服のポケットの中でスマホが揺れた。

歩きながら確認すれば、東郷さんからメッセージがきていた。


『あいつがオモテに出るなんて滅多にねぇから。たまには甘えちゃえよ』


そ、そんなこと言われたって……。


琥珀くんがデート、なんて言うから変に意識しちゃう。

< 149 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop