【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
Ⅶ.




むくり。

朝、目を覚ましベッドの上に身を起こすと、隣で眠っていたはずの琥珀くんの姿がないことに気づいた。


ベッドに手を滑らせてみると、琥珀くんが眠っていた場所にまだほんのりわずかに温もりが残っている。


部屋にかけられた時計が示す時刻は、まだ5時にもならない。

こんな時間からもう仕事なのかな。


私はまだ眠い目を擦りながら、ベッドから起きだす。

朝は得意だったのに、すっかり7時起きの時間に慣れてしまった。


ぼやぼやした頭でリビングを覗くと、まさにちょうど琥珀くんが出掛けようとする時だった。

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