【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて




なにを着たらいいかわからなくて、結局いつも着ているようなカジュアルなワンピースになってしまった。


胸下まである長い髪をひとつにくくり、いざ鏡の前に立つ。

そこに映るのは、特別目を引くなにかがあるわけでもなく平凡でごく普通の女の子。


こんななんの取り柄もない私のことを買い、そして大切にしてくれている琥珀くん。

彼がいない毎日はもう考えられない。

この生活が今の私のすべて。

太陽に反対されたとしても、今ある生活をどうにか守りたい。


「頑張れ、莉羽」


小さな声で自分を鼓舞し、そして部屋を出た。


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