【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて


「仕方ないだろう。こうすれば借金も完済できる。俺たちを助けると思って、あの人のところに行け」


そして、とどめの一言。


「それがお前にできる親孝行じゃないのか」

「……っ」


悔しくて悲しくて、心が乾ききったせいか涙も出なかった。

ただ呆然として、膝立ちのまま目の前が真っ暗になっていくのを感じていた。


ふたりにとって、私はなんだったの……?

私には本当に生まれてきた意味があったの……?


私はただ、愛されたいだけだったのに……。


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