【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
すると太陽が私を見下ろし、優しい表情で笑んだ。
そして大きなごつごつした手で、後頭部をぽんぽんと優しく叩く。
「しっかりしてるように見えて莉羽は結構抜けてるからな。だから俺は目が離せないんだ」
「太陽……」
太陽の黒く澄んだ瞳の中に、唇を引き結んだ私がいる。
まわりにはだれもいない。
タイミングは今なのかもしれない。
……話さなきゃ。
琥珀くんのこと。今の生活のこと。
私はいつまでも太陽に守られてばかりじゃいられない。
このままじゃ、私という存在が優しい太陽を縛りつけてしまう。
「「あの」」
意図せず声が重なった。