【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
するとその時、琥珀くんの押し殺したような声が聞こえてきた。
「おまえの主人は俺だろ。早く俺におまえの心全部、俺に寄越せ」
そんなのとっくに貴方のものなのに。
ぞくりとするほど整った美しい顔が、余裕なく歪んでいる。
私はその顔を見つめながら、乱れた息の狭間に声を吐く。
「だれ……にも、ふれられたことないところ、許してるのにっ……、」
「え?」
「心を許してなきゃ、こんなところ触らせようなんて思いません……」
ねえ、だからお願い。
貴方の心も私にくれませんか……?