【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
乱れた息の狭間に、私は抵抗の声をあげる。
「でも東郷さんも待ってますし……っ」
「へー、俺より東郷のことをとるんだ」
「なっぁ、そ、そういうわけじゃっ。ち、遅刻しちゃうからっ」
「生意気だな。でも全然嫌そうに見えないけど」
「……ぁ、うぅっ……」
せっかく結んだ胸元のリボンが、しゅるりと音をたてて、呆気なくも解かれてしまう。
「だ、だめっ……」
抵抗の声を奪うように、キスが落ちてきた。