【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
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結局、私の送り迎えのため待機していた東郷さんを15分も待たせてしまい、東郷さんからはしっかりとお叱りを受けた。
そうして学校に着き、下駄箱でローファーからサンダルへ履き替えていると。
「莉羽!」
グラウンドの方からこちらへ駆け寄ってくる太陽の姿を見つけた。
「太陽」
手を振り走ってくる太陽は、まるで飼い主を見つけた大型犬のよう。
その顔には、曇りのない笑顔が浮かんでいる。
昨日のことがあったばかりだから、どんな顔をしたらいいか、本当は登校するまで怖かった。
だけど太陽がいつもと変わらない笑顔を向けてくれたことで、ほっと肩の力が抜ける。