【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
高校が近づき、同じ制服を着た生徒の姿が多くなってきた頃。
「莉羽てぃん、おっはよー!」
太陽もびっくりするくらい明るい声と共に、突然背後から抱きつかれた。
一瞬びくっとしてしまったけど、その声は私の大好きな子のものだ。
「おはよう、環」
振り返れば、これまた太陽がびっくりするくらいの美少女が立っている。
今田環。
彼女は高校2年生の時からの私の親友だ。
その美貌からモデルもやっているんだけど、中身まで気取らなくて明るく可愛いという、100点満点の美少女なのだ。
正直、こんな可愛い子の隣にいていいのかなって不安になっちゃうときもあるくらい。
けどそんなふうに卑屈に思うのはきっと環には失礼だから、胸の奥にそっと閉まって鍵をかけて。
その代わり、環というとっても素敵な女の子と親友でいられることを、心から嬉しく思ってる。