【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
ベッドに並んで横になり、私を抱きしめながら、琥珀くんはこれまでのことを話してくれた。
私と琥珀くんの本当の出会い。
琥珀くんの過去。
私を保護してくれた経緯。
ずっと私を想っていてくれたなんて、これっぽっちも気づけなかった。
「私と琥珀くんは同じ傷物同士だったんですね」
お互いの過去を顧みてそう言うと、琥珀くんは私の頭に頬を寄せながら、「そうだな」と囁いた。
お父さんとお母さんのことは、やっぱり許せない。
でもこの傷を負っているからこそ、私は琥珀くんに出会えたのかもしれない。