【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
「いただきます」
琥珀くんが手を合わせ、それからスプーンを手に取ってお粥を掬う。
琥珀くんのそばに立ち、その姿を見つめる私は、思わず緊張のあまりごくりと唾を呑む。
……と、お粥を一口口に含んだ琥珀くんの表情がぱっと変わる。
「うまい」
「え、本当ですか……!」
「うん、うまい」
そう言ってぱくぱくとお粥を食べてくれる琥珀くん。
私は安堵のあまり、ほっと肩から力が抜けていくのを感じた。