【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
ああ、この人が好きだなあ……。
自覚した想いは、どうしてこれまで気づくことができなかったのかと思うほど、胸の中で大きくなっていた。
私の初めても琥珀くんばかりです。
「私がたくさん、初めてをあげます」
微笑みながらそう伝えれば、琥珀くんが柔く微笑んだ。
私の髪を大切なものに触れるように撫で、そしてその瞳がすうっと細められる。
私、知ってる。
これはキスをする合図だって。
すべてを委ねるように瞳を閉じれば、琥珀くんの顔が迫ってくる気配がして、直後唇を閉じられた。