【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
触れるだけのキスは、お互いの熱を感じるたびに、さらに求めるように徐々に深くなっていく。
濡れた熱が入り込んできて、息が上がり、私は気づけば琥珀くんの首の後ろに腕を回していた。
「ん……は、ぁ」
好きだと自覚したキスは、まるで甘美な麻薬のよう。
気持ちよくて、愛おしくて、もっと欲しくて。
そうして琥珀くんとのキスに溺れていると。
ふわり。
琥珀くんが、私にも気づかせないほど自然な動きで、私を抱き上げていた。
そして寝室のベッドに下ろされ、背中が布団の感触に覆われたその時、私はそこでようやくはっと我に返った。