【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
Ⅱ.
最上階にあるバスルームは、実家の茶の間と同じくらい広い空間だった。
金色の猫足のついたバスタブは大人ふたりは余裕で入れそうなくらい大きく、まるで貴族が入るバスタブみたい。
バスタブの中には湯が張ってあって、私は数か月ぶりに湯船に浸かった。
実家ではずっとシャワーばかりだったから、こんな状況にも関わらず、身体はとてもリラックスすることができた。
少しでも手を休めれば余計なことを次から次へと考えてしまいそうだから、無心で身体を洗った。