【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
不意にバスローブを割って、つーっと太ももに冷たい刺激が触れた。
「ひゃ、あ……っ」
その嬌声が、自分のものだと思えなかった。
一瞬、なにが起こったかわからなくて、息が止まった。
そんな私の反応を、ユズリハが見逃してくれるわけもなかった。
「こんな敏感なくせに、いつまで意地を張るつもりだよ。なあ、男に抱かれたことは?」
私は顔を逸らした。
もちろん、男性とのそういう経験なんてない。
なんせ恋愛経験ゼロなんだから。
けれどそれは、往生際の悪い私の最後の悪あがきのつもりだった。
「あり、ます」
震える唇で嘘を紡いだ、その時。
顎ごと掴まれ、強引にユズリハの方へ向かされたかと思うと。
まるで息を奪うように唇を塞がれた。