【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
「……っ、は、ん……」
思考が追いつかなかった。
初めてのキスに翻弄され、息さえままならない。
苦しくて、私は思わずユズリハの胸を叩く。
すると何度目かの訴えでようやくキスから解かれた。
私は乱れた息と、赤くなった目を自覚しながら、震える眼差しでユズリハをわずかに睨んだ。
「き、キス、なんで……」
「なんでって。男に抱かれたこともあるくせに、キスくらいでうるせぇな」
「あ……ぅ」
口調は荒くも、ずっと揺るがず落ち着いていた声音が、明確に私を傷つける意志を孕んでいた。
私が言葉に詰まると、直後、流れるような動きで私の身体はベッドへ押し倒されていた。