【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて


ずしとベッドを沈ませ、私の上に覆いかぶさってくるユズリハ。


「全部忘れさせるくらい抱き潰すから覚悟して」


怒りのような、冷たさのような、そんな色が滲んでいる。

なぜか私の心を捕らえて離さない、仄暗い瞳。


そして首筋に顔を埋めたかと思うと、わざとちゅっちゅっと音をたてて、そこにキスを落としていく。

初めて与えられる甘い刺激に、ぞくぞくと背筋を走る疼きが止まらない。


「ぁっ、んぅ……」


知らず知らずのうちに、私は縋るようにユズリハの服を握りしめていた。


するとユズリハが顔を上げ、薄い嘲笑を浮かべた。


「はは、かわいー声。でも触れられれば、だれにだって簡単にそうやって啼くんだろ」

「な、ぁう……」


今更違うなんて言えない。


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