【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
「ゃ、めて……ゆず、りはさん……」
「楪じゃなくて、琥珀」
「こ、はく……?」
「そう。琥珀。俺の名前。そう呼んで」
もうなにがなんだかわからなかった。
乱れた息の狭間で、私はユズリハに従うことしかできない。
「琥珀さん……」
「だめ」
今度は反対側を、ユズリハの大きな手が掬うように撫で、包み込む。
「ひゃ、あっ……」
ぞわりと、身体の奥が疼く。
反射的に甲高い声が漏れ出た。
「違うだろ」
「琥珀、くん……?」
「そう」
望みどおりの呼び方ができたのに、ユズリハ――琥珀くんの甘い攻撃は止まらない。
下着で隠れている部分以外、すれすれを攻めるようにして、容赦のないキスの雨が降ってくる。