【完】生贄少女は冷酷暴君に甘く激しく求愛されて
私が車に乗ると、向かい側のシートに大きな身体を滑り込ませる東郷さん。
東郷さん自身も自分の処遇に不満があるのか、車が発進するなり文句を言いたげに足を組んで窓の外を見遣る。
「あいつもあいつだよな。ナンバーツーをこんな小娘の世話係に直々に任命するとは。俺はいっつもあいつに振り回されっぱなしだ」
東郷さんの言うとおりだよ。
琥珀くんの意図がまったく見えない。